JDLA G検定に合格したのでそのあたりについて。
G検定について
恐らく日本で唯一のAI/ML に特化した認定資格で一般社団法人「日本ディープラーニング協会」通称「JDLA」が行っている認定試験。大きく2つの資格と講座があり
AI For Everyone 講座
全てのビジネスパーソンに向けた、AI/ディープラーニングについてまず「知る」ための無料エントリー講座です。世界最大級のオンライン講座プラットフォームであるCoursera(コーセラ)上で、既に全世界60万人以上の受講者を誇る人気のコース「AI for Everyone」(オリジナルは英語)に、JDLA制作、日本向けコンテンツを加えた特別版。
受講は無料だが、受講修了証を取得する場合は別途費用が必要。修了証を得ることで G検定の受験料が割引になる。
G検定
ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する。
大きく下記のような内容についての知識を問われ、
- 人工知能(AI)とは(人工知能の定義)
- 人工知能をめぐる動向
- 人工知能分野の問題
- 機械学習の具体的手法
- ディープラーニングの概要
- ディープラーニングの手法
- ディープラーニングの社会実装に向けて
AIの基本的知識からディープラーニング、最新のAI技術、動向についての具体的知識を求められる。
4半期に1回程度試験を実施していてWeb受験も可能。特別な受験資格も必要無い。
E検定
AIエンジニア向けの試験で、ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているかを認定する知識を問う。
試験内容も具体的な理論に関して問われる。
- 応用数学
- 機械学習
- 深層学習
- 開発・運用環境
受験するためには JDLA認定プログラムのいずれかを修了している必要があり、こちらも4半期に1回程度試験を実施していて、会場での受験が必須。
勉強したこと
仕事柄 AWS、GCP、Azure その他諸々 AI/ML を手段として使うことが増えてきた、また画像認識を使った簡単な仕組みの導入検討も増えてきているため基本的な知識を抑えておきたく仕事として受験しようと思ったのが動機。あくまでそういう仕組みやサービスを活用するのがメインの業務なので開発者としての知識が必要なE検定は検討していない。ってか無理。
AI For Everyone 講座についてはG検定の申し込みするときに存在を知ったので受けていない。
公式参考書をひたすら学習する
●教材
JDLAサイトの試験ページにもあるが公式教科書をとりあえず買ってみてひたすら勉強した。
JDLAが監修しているので最新の教科書を買っておけば基本的には認定試験の範囲を網羅しているが、試験を受けた感触、教科書を勉強するだけでは試験範囲の6割り程度しかカバーでききない。
教科書ではさらりと触れられる単語や仕組み、それらに関連する基礎知識は自分で調べて学習しないと合格は難しかったんじゃないのかなと感じた。
別の教科書や問題集はやっていないので分からないが別紙で補完できる内容かもしれない。
試験範囲は網羅しているため学習としては十分だと思うが、練習問題なんかは試験対策としては不十分だと感じた。
出題形式という意味では感じがつかめるので良いが、問題の難易度はかなり易しめでこんな難易度の問題は試験で一つもなかった。(実際終わったと思った)
模試や無料教材、問題集もいくつかあるみたいなので教科書だけで慢心しないほうが良いと思う。
https://ledge.ai/jdla-learning-1110/
●勉強期間
約1ヶ月1日当たりの勉強時間は2~3時間くらいだったと思う。平日のみ勉強して土日はやらない
●勉強方法
学校の勉強と同じで手法は個人差があると思うので参考までに。
まず教科書を全て読み、その後自分なりにまとめながら教科書をノートに模写し、試験前までに模写したノートを音読して勉強。
IT系の仕事がら思うのだけれど、ドキュメントに落としきれない人って大体ちゃんと理解できていないか視野が狭くなっていると思う。
個人的に参考書の章立てやまとめ方がちょっと頭にスッと入ってくる流れではなかったというのもあるけれど、自分の言葉で、分からないこと、単語は別途調べながら自分の参考書をつくるというやり方が良かったと思う。
パソコンデータではなくノート、音読なのは個人的にその方がよく覚えるからというだけ。
試験の注意点
G検定の場合基本的に理解についての問題は7割で、暗記による知識を問う問題は2~3割という印象。
Web受験可能なのでその点は楽なのだが、試験時間120分に対して問題数が190問(※試験サイト上だと220問程度となってる)と時間に対して圧倒的に問題数が多く、1問1分以上かけられないので全ての問題を解ききるのはよっぽど完全に理解していないかぎり不可能だと思う。
事前にこの辺を心構えしておいて、わからない問題はさっさと飛ばしてすぐ答えられる問題をさっさと答えていく等戦略立てておかないと辛い印象。
事実私は事前にあまり調べず1問1問回答していく方法を取ってしまい、問題すら見ていない問を10問以上残して時間が無くなり、不安な回答の問題の見直しすらできなかったため100%落ちたと思ってた。
公式サイトにも無いように、合否の基準は明示されておらず、試験の合否は即時わかるものではなく1~2週間後に合否の連絡がくる形になっている。
この辺からみるに問題数は Web受験の不正対策を考慮してるのかなとか、人が採点して、合格基準はその都度調整してるのかな?と邪推しなくもない。
合格特典
無事試験に合格した場合以下の特典がある。
- 合格証の発行(順次メールにて後日送付)
- 合格認定ロゴの入手
- Slack等の合格者コミュニティ「CDLE」への参加権
- 合格者のかいイベント参加権
感想
前述したように100%落ちたと思ってたので素直に嬉しいし、合格証が届くまでまだ信じられてない笑。
開発者ではないのでG検定に必要な知識は少し過剰(ディープラーニングの実装概要とか実際使わなそう)だったが、現状のAIの課題や、どのような問題に対してどうAIを使ってアプローチすると良いか、得意なこと、得意でないことなどが理解できたので十分為になったと思うし、使うツールの理解、興味にも繋がった。
世間的、国際的にこの資格がどこまで有用かはわからないが必要な勉強だったという認識は終わった後も変わらないかな。
もし受験を検討している人がいたら少しでも参考になればと。(ほんと受験レポみたいな情報が少なかったので)